生活習慣病外来


糖尿病とは血糖値が高い状態が慢性的に続く病態をいいます。ブドウ糖が体内に吸収されると、通常はインスリンというホルモンの作用で、エネルギーを必要としている細胞に糖がとりこまれます。ところが糖尿病になると、インスリンが足りなくなり、またはインスリンの働きが阻害され、正常に細胞に作用しなくなるために血中に糖がたまってしまい、血糖値が高い状態が続いてしまうのです。

  • 糖尿病と診断され治療を受けている総患者数は316万6,000人(厚生労働省調査・平成26年)
  • 糖尿病が強く疑われる成人男女が約950万人(「2012年国民健康・栄養調査結果」の推計)
  • 平成26年度の国民医療費は40兆8,071億円で、前年度の40兆610億円に比べ7,461億円、1.9%の増加
  • 平成27年の死因別死亡総数のうち、糖尿病による死亡数は1万3, 327人

2型(後述)糖尿病そのものの自覚症状は、よっぽど症状がすすみますと、口渇・多飲・多尿・体重減少がみられますが、軽症ですと自覚症状はありません。しかし、血管が長い年月をかけ高血糖に侵されていくと、網膜症、神経症、腎症という3大合併症を引き起こし、取り返しのつかないことになります。腎症が進行すると透析が必要な状態となりますが、2014年末現在、国内の透析人口は、32万448人で、このうち、原因疾患は糖尿病腎症が11万8,081人と最も多く、透析患者全体の38.1%を占めています。この1年で新たに透析を始めた患者さんの原疾患は、糖尿病腎症が1万5,809人と最も多く、全体の43.5%に上ります。取り返しがつかなくなる前に、上手に糖尿病をコントロールすることが大切になります。

 


糖尿病の種類って?

糖尿病は大きく「1型」と「2型」の、2種類に分けることができます。「1型」は日本人の糖尿病の約5%を占め、別名「インスリン依存型糖尿病」といい、インスリンを分泌する臓器である膵臓のβ細胞が、何らかの自己免疫の働きで破壊され(詳細はわかっていません)、インスリンの分泌がまったくされない病態をいいます。そのため、外からインスリンを補わざるを得ず、治療としてはインスリン療法が第一選択となります。子供のころに発症することも多く、小児糖尿病ともいわれています。

一方、残りの大半を占める「2型」糖尿病は、遺伝すなわち「糖尿病の家系」に生活習慣があいまって発症する「生活習慣病」です。食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスなどが原因となり、インスリンの分泌量が減ったり、細胞がインスリンの作用を感じなくなり(インスリン抵抗性)、高血糖状態が継続することで発症します。治療に食事、運動などの日常生活の見直しは必須で、病気の程度によって内服薬やインスリン療法を使い分けます。

これ以外の糖尿病としては、「妊娠糖尿病」「膵臓腫瘍などによるその他の原因の糖尿病」がありますが、まれです。


糖尿病=即インスリン療法?

「糖尿病といわれてしまった。もうインスリンしかないのですね・・・。」と悲観される方が多いのですが、実際はそうではありません。糖尿病の大半をしめる2型の治療法は、まず食事、運動など日常生活の見直しを行い、病気の程度にあわせて内服薬を選択します。長い間放置され、自分の体から分泌されるインスリンの働きが期待できない場合は、インスリンを外から補充して膵臓を休めてあげることが効果的なため、いきなりインスリン療法をはじめることもありますが、まれです。まず診断されたら、治療・検査の方針について、じっくりと主治医と相談しましょう。


検査のすすめかた

 「糖尿病」「糖尿病の疑い」「耐糖能異常」といわれたら、まずは以下の検査をおこなっていきます。

  • 採血検査
  • 尿検査
  • 血管年齢
  • 頚動脈超音波検査
  • 心臓超音波検査
  • 腹部超音波検査
  • 心電図検査
  • 胸部レントゲン検査
  • 糖負荷検査
  • 合併症検査(尿検査詳細・眼底検査)

 


それでもコントロールが悪い場合は?

なかなか日常生活のなかで、忙しくて食事や運動習慣などはかえられない!あるいは、逆に日常生活からはなれて、一度リセットしたいとご希望の場合、約1~2週間(短いものは「週末のみ数日」)、糖尿病内科への「教育入院」という入院をおすすめすることもできます。療養食による食事療法、血糖測定、合併症精査、(インスリン療法中の方はインスリン量調整)をおこないます。