睡眠時無呼吸症候群(SAS)

一般的には、一日7時間の睡眠中に、10秒以上の無呼吸が30回以上起こるか、睡眠1時間当たりの無呼吸や低呼吸が5回以上の場合をいいます。近年アメリカで行われた研究では、睡眠時無呼吸症候群の人は、正常な人に比べて糖尿病は1.5倍、高血圧症は2倍、心疾患は3倍、脳卒中に至っては4倍も発症リスクが高まるというデータがあるほど生活習慣病と密接な関係があり、早期発見としっかりとした治療が望まれます。現在日本人には人口の2%以上(200万人以上)の潜在性SAS患者さんがいるとされ、その4分の1程度が現在治療を受けている患者さんであるため、残りの4分の3(約50万人)が見過ごされていることになります。近年問題となっているバスや電車の運転手の就業中の事故増加、仕事のパフォーマンス低下をはじめ、生命予後の悪化など、あらゆる面でSASを放置しておくことはよいことと言えません。当院では、睡眠時無呼吸の疑いのある患者様に、質問表とともに詳しい問診を含めた診察を行い、簡易睡眠検査(検査装置をお渡しし、ご自宅で一晩つけて寝ていただき、その結果を分析する検査)にて重症度を診断し、今後の治療方針につきアドバイスさせていただきます。

 

【自覚症状】

 昼間眠くなる・仕事に集中できない・夜中に何度も眼が覚める

 眠りが浅い・寝汗がひどい・口が渇く・起床時の頭重感・勃起不全

【過去の診断】

 肥満・扁桃肥大・鼻中隔彎曲・小顎症・巨舌(→閉塞性SAS)

 慢性心不全・脳血管障害(→中枢性SAS)

【習慣】

 運動不足・喫煙・飲酒過多

睡眠時無呼吸症候群の治療は?

肥満が原因の場合、減量することが改善に大きくつながることがありますので、まずダイエット外来をおすすめします(重症の場合はCPAPを併用しながら)。また、小児の場合は扁桃腫大に対し扁桃摘出をすることが根治につながることがありますが、成人の場合は原因の特定と根治が難しいことが多く、重症度により対症療法を行います。まず軽症の場合は、歯科にてマウスピース(スリープスプリント)を作成します。中等症以上の方の場合はCPAP(持続陽圧呼吸療法)の適応となります。

CPAPは、15~20cm位の大きさである機器本体と、設定した圧力で空気を送るチューブ、鼻にあてるマスクからなり、これを装着して睡眠に入ります。圧力の大きさは、常に一定の圧力を保つ場合と、無呼吸のときに合わせて自動的に圧が調整され送られるパターンに分かれます。重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおいて、CPAP治療をおこなった場合と、そうでない場合とを比較した研究によると、CPAP治療を行った患者さんの方が明らかに長生きできたなど、多くの研究によって睡眠時無呼吸症候群に対するCPAPの効果が証明されています。